- Recommended -
ジェラール・ゴビーのワインは、化学物質をいっさい使用しない完全なビオディナミで造られます。ゴビーといえば「ムンタダ」が有名ですが、この「レ・カルシネール」は最もお手軽なレンジに位置するワインとなっています。
香りはスパイシーで、森の下草のような香りがムンムン漂い南的な世界観を色濃く感じます。しかし、実際の味は驚く程クリアで、澄みきった水のような心地よい清流さを感じます。猛暑だった2003年とは思えない程の鮮明さが印象的ですが、キュートで親近感ある赤系果実の魅力のおかげで、どことなくホッと安心する要素も兼ね備えています。
クリアではあるものの、逆にスッと抜け落ちた感じもあるので「物足りない」「良さがわからない」と感じる人もいそうですが、そこはかとなく「必要な立ち位置にいるワイン」とも感じるので、このスタイル&世界観は単純な嗜好の領域で判断を下さない方が良いのかもしれません。
(2006/05)