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セパージュはシラーズが94%にヴィオニエが6%。なんと赤葡萄のシラーズに白葡萄のヴィオニエをブレンドするという非常に面白い構成となっていますが、旧時代のキャンティのような「どうしても白葡萄をブレンドしなくてはいけない」といったネガティブなスタンスではなく、積極的にヴィオニエをブレンドすることのメリットを活かした新しいスタイルになっています。
世間的な評価が高いオーストラリアのシラーズ系ワインですが、想像通り非常に凝縮度が高く、アルコール度数も脅威の14.5%を誇りますが、ヴィオニエの効果なのか、驚くほど流麗な舌触りが印象的で、滑らかな布地を撫でるかのようなスルスル感があるので非常に飲みやすい印象を受けます。
凝縮感に頼った「飲み疲れるワイン」とは一線を画す造りで、個性を感じる独特の香りにスパイスハーブ系の風味、そして純度の高いベリー系の甘みが相まって、豊かな表情と構造が遺憾なく発揮された非常に良質なワインだと言えます。
兼ね備えたポテンシャルもかなりのものですが、それでいて「深く考えずに美味しく飲める」という指向性を持っているのが素晴らしく、この内容と価格であれば、まず間違いなくほとんどの人に喜ばれると思います。
多くのワインコンペティションで金賞を獲得しているようですが(ラベルとともに金賞獲得のメダルラベルが貼ってある)、決して一般的にみられるような「箔がつく」といった類いのものではなく、しっかりと中身が伴ったうえでの「金賞獲得」だと言えるので、ここは素直に評価して問題ないと思います。
(2006/11)