- Good Quality -
カベルネ・ソーヴィニヨン73%、テンプラニーリョ17%、ジンファンデル10%という、かなり興味深いセパージュで造られるオーストラリアワインです。
フランス、スペイン、カリフォルニアを代表する葡萄品種がオーストラリアで融合し、かつスペクテイターの評価も高いという、ある意味話題に事欠かない(売りやすい)ワインだと思いますが、やはりというかなんというか、味的には美味しいものの、あざといほどに人為的な要素が全体を支配しているので、正直なところあまり食指が動きません(特に抜栓日)。
フレッシュで滑らかな仕上がりですが、逆に綺麗すぎる感があり、身の詰まりを重視しすぎたせいか、体躯を支える屋台骨に対して過剰なまでの詰め込み具合がかなり気になります。しかも、人の力で制御したと思われる反動か、2~3日で急激に離散していく傾向にありました。とはいえ、逆にその方が骨格レベルに見合った佇まいになるので、結果的にバランス感が増して印象がグッと良くなるという本末転倒な状態ではありましたが…。
決して農作物ではなく、あくまでも人の手によって造られたような世界観なので、根本的な訴求力はかなり低いと言わざるを得ません(とはいえコアは意外と素直で良質)。しかし、現代指向な造り故に「整った風体」と「表層のシンプルな美味しさ」が常に感じられるので、逆に言えばいつ飲んでも安定して楽しめるというメリットを内包しているとも言えます。
スローフードな指向性の人には決してお薦めできませんが、とにかくわかりやすく美味しいワインを求める人にはとっては有益なアイテムになると思うので、デイリーワインとしては手頃な選択肢になるかもしれません。
(2007/01)