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- Very Good Quality -

2006 Montevetrano
Azienda Agricola Montevetrano di Silvia Imparato生産者ワインリスト

Montevetrano

短期間で一気にカンパニア、いやイタリアをも代表する地位にまで上り詰めたのが、アーティスティックなラベルでお馴染みの「モンテヴェトラーノ」です。基本セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン60%、メルロ-30%、アリアニコ10%で、国際品種がベースが基本なっているものの、思いのほかアリアニコが良いアクセントになっていると言えます。

例のごとく抜栓日はあっけらかんとしたような、ぶっきらぼうな表情となっていますが、翌日に持ち越すことで扉が開き始め、さらに3日目に持ち越すことでようやくその真価を発揮し始めます。モンテヴェトラーノらしい流麗さや端正な表情、そして精緻なテクスチャなどは感じられますが、2004年2001年とは異なり、かなりシビアで厳しい表情がコアの資質としてハッキリ見て取れるので、全体像や指向性としては、従来とはやや異なる印象となっています。

思いのほかカベルネ的な緑系のハーブ風味は控えめで、品種感よりも造り手の思想やヴィンテージ感の方がより強く感じられる傾向にあります(相対的には補助品種の方が印象的)。葡萄の持つエネルギーが大量に込められているものの、細めの体躯に膨大かつ微細なタンニンが密封されているような印象で、抜栓後に時間をかけて開放しない限りはじっと奥底で沈黙しているかのような印象があります(故に当初は軽めのワインと錯覚する)。翌日になると一気にタニックになり、無骨さや沈黙による迫力がじわりと表出し始めますが、逆に飲み手との距離感が広がる傾向にあるので、結果として急に突き放されたような感覚を持つことになります。3日目になると、ようやく真のポテンシャル(の一端?)が開放されるものの、果実味は完全にタンニンに覆われ一部しか垣間みれないこともあり、飲み手に対して「タンニンを愛でる」というスタンスを強要する指向性にあるとも言えそうです。

以前のヴィンテージと比較するとやや難易度が上がったような印象で、本質を理解し享受するのに多少の体力と根気が必要です。純粋に「飲み物」として美味しいといったスタイルではないこともあり、あまり万人受けとはいえない世界観になっています。そういう意味では、1975年のシャトー・ラトゥールのような「通向け」という印象ではありますが、それでもボルドーワインとはまったく異なる資質、そして南イタリアのカンパニア産でありながらもヒンヤリした質感、そして比較的シンプルながらも際立つ葡萄力など(厳ついのに決して飲みにくいわけではない)、派手さはないもののしっかり地に足が付き、何があっても絶対意志を曲げない芯の強い女性といった姿が脳裏に浮かびます。

全体像としては従来のモンテヴェトラーノ像から大きく乖離したものではないので、以前からのファンであればこの2006年に関しても大いに満足できると思います。ただし、豊富なタンニンによる長熟スタイルであることや、一歩間違えると過小評価してしまいそうなある種の難しさも持っているので、じっくり時間をかけて対象と向き合うという飲み方が自然に出来る人でなければ、迂闊に手は出さない方が無難なのかもしれません。
(2011/10)

参考市場価格7,140円~10,899円(平均約8,476円)
点数評価95(V)、94(WA)、88(LM)

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