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現在のオーナーは三代目となるパオロ・メロイ。フリウリを代表する偉大な造り手「ミアーニ」のエンツォ・ポントーニに、醸造だけでなく畑の立て直しを含め、ワイン造り全般において助言をもらっています。
メロイを代表するトップキュヴェがこのヴィーニャ・ドミニン。醸造所の創始者である祖父の愛称がその名の由来となります。新樽100%ですが、同じヴィーニャ・ドミニンのメルローとは違って、しっかりと葡萄のエネルギー総量とバランスしている傾向にあります。土着品種「レフォスコ」の持つ多様なハーブ風味と重厚なボディが魅力ある構成要素となり、それでも決して重くならない北イタリアのフリウリらしい身の締まり感が、うまく全体を纏めている傾向にあります。
傑出した内容とまではいかず、あくまでも現実的な水準にはありますが、最初から最後まで「ポジティブな印象」が素直に伝わります。これは品種の個性とフリウリという地の力、そしてパオロ・メロイが見定める「ヴィーニャ・ドミニンに相応しい世界観」、これら三要素が明確になっているからこその訴求力なのだと切に感じます。ハイエンドたるに相応しい価格帯なので、おいそれとは手が出ませんが(純粋なコストパフォーマンスとしてはやや分が悪いかも…)、レフォスコという品種が持つ可能性の一端を知るにはちょうど良いアイテムでもあるので、機会があればぜひ試してみてもらいたいところです。
(2016/04)