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ジーニが所有する2つの偉大なクリュのうちのひとつが「サルヴァレンツァ」(もうひとつはラ・フロスカ)。ピエロパンの「ラ・ロッカ」の隣の丘に位置し、黒色火山岩土壌の畑に樹齢100年以上の葡萄(ガルガネガ)が植えられています。フィロキセラの影響を受けていないということもあり、葡萄は接ぎ木されていない「自根」となっています。
ミネラル系の仄かな苦味がひとつの個性となっていますが、体躯そのものは熟した果実を感じる、やや柔らかな傾向にあります。ヴィンテージのスタイルもあるのか、明確なエネルギーやボリュームを感じるような系譜にはありませんが、スッキリとした纏まり感のある良質な構成力が印象的です。現実的な水準で各要素が構成され、まだ若く各要素に一体感が生まれていないものの、それでも不思議と全体のバランスは非常に良好で、今すぐ飲んでその良さが分かる現代的な造りというのも明確なメリットのひとつかもしれません。
やや体躯そのものの軟質さが気になる瞬間もありますが、温度をうまくコントロール(低めを維持)すれば、そう問題はなさそうです。また、1年程度の熟成でもより良好な世界観に歩を進めてくれそうな印象でもあるので、日常的な水準を超える良質なソアーヴェを望む場面に最適な解となりそうです。
(2016/07)