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イタリアを代表する孤高の希少ワイン「ミアーニ」。もはや天才とすら言われるミアーニのオーナー「エンツォ・ポントーニ」が、フリウリ最良の産地ブットリオにある畑ソット・ダ・モンを所有するクロアット家のもと、植樹、栽培、醸造、そのすべてを手掛ける新たなプロジェクトがこの「クロアット」です。
フリウリのグラン・クリュと言われるブットリオの丘の中でも、斜面上部の最上区画「オベリスコ」のメルローで造られるフラッグシップとなります。メルローらしい豊満さに加え、グリーン系のハーブや漢方系のニュアンスが漂い、思い描くイタリアのメルローらしい表情が存分に発揮されています。コアのタンニンはそれなりに収斂していますが、早くから飲んで十分楽しめるスタイルでもあるので、無理に熟成させる必要性はないと思います。
完全に洗練されきっていないところが逆にある種の魅力とも言え、北イタリアらしいすっきりとした佇まいと、葡萄そのものから発せられる純朴な訴求力がひとつの美点でもあります。どちらかというと、直接的に味覚に訴えかけるようなスタイルではないので、一般層に対してはより温暖な地域で造られるリコルマの方が受け入れられやすそうな印象でもありますが、こういったスタイルの良さは継続して嗜み続けられる系譜にあるので、ワインを飲みなれている人であればその本質的な良さを大いに実感できるのではないでしょうか。
(2016/10)