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ドイツ人の「カイ・シューベルト」とパートナーの「マリオン・ダイムリング」がワイララパで興したワイナリー。近年、非常に高品質なピノ・ノワールを造ることで世界的な評価を高めています。
マリオンズ・ヴィンヤードは、マーティンボロの北にあるイースト・タラタヒにある畑で、主に「ポマール」「アベル」という2つのピノ・ノワールのクローンが用いられています。醸造で使用されるフレンチオークバリックの新樽比率は35%で、18ヶ月間熟成されます(100%除梗)。
スタンダードのピノ・ノワールとはその本質が大きく異なり、ジャム系の果実は感じられず、その表情には艶やかな流麗さが広がります。また、コアには多少の収斂要素が感じられますが、それでも表層の柔らかさやたおやかさによって、現時点で既に十分楽しめる状態になっています。ニュージーランドらしい果実のボリューム感と厚みは土台にしっかり感じつつも、そこから広がる表情はいたって端正で、赤系果実のベリーの表情が心地よく伝わる良質な表情が好印象です。
構成要素はそこまで複雑ではないものの、体躯の密度感はより上のクラスのワインとも勝負できそうな印象なので、価格帯だけで判断しているとちょっとした驚きがあるかもしれません(クローンが異なる「ブロックB」との飲み比べも面白そう)。
(2017/05)