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比較的マイナーな地区から高品質なワインを生み出すことで有名な、グザヴィエ・コペルが1996年に設立したネゴシアンである「プリモ・パラテューム」の「ミネルヴォワ」です。2001年のセパージュはシラー75%、カリニャン25%、年間生産本数は3,200本となっています。
抜栓直後から、明確な密度と凝縮感から繰り出されるエネルギーがひしひしと伝わるので、本質的なポテンシャルレベルの高さが素直に理解できます。東洋系の多様性あるスパイス風味に、高いアルコールや多少の熟れ風味など、プリモのワインらしくミネルヴォワとしての明確な方向性と世界観を打ち出してくれますが、体躯自体が柔らかく儚げな傾向にあり、それとは違う軸として樽的な焦げや苦みも存在するので、説得力はあるもののやや違和感が残りがちです。
表情としては多少歪でちぐはぐな傾向にありますが、全体を俯瞰した場合は思いのほかバランスがとれている印象で、鋭く重い要素が柔らかい資質の崩壊を防ぐ杭となり、結果として魅力ある世界観を生み出しているようにも感じます。特徴ある尖ったスタイルではありますが、それでもプリモ・パラテュームにおける造りの本質や、美点となる最大の要素や世界観は明確に感じられるので、相対的に得られる満足度は十分なものがあります。相変わらず生産量が少ないので入手は困難ですが、程よい熟成を経たプリモのワインというのもまた独特の表情を持っているので、巡り会う機会があれば是非試して欲しいところです。
(2008/11)