- Good Quality -
20年前から古典的な有機農法や醸造を実践し続ける自然派の重鎮「マルセル・ラピエール」と、甥でありフィリップ・パカレの従兄弟でもある「クリストフ・パカレ」によるクリュ・ボジョレー「シェナ」です。造り手の名前表記順が入れ替わったことからもわかるように、現在ではクリストフ・パカレが主導となって造っているようです。
シェナらしいやや低めの重心に適度な厚み、そして豊かな酸が感じられ、ガメイ的な果実のキュートさはややコア方向に隠れ気味となっています。安定した体躯や各要素の充実感はシルーブルと同様のものがあり、総じて想像以上のポテンシャルを有している傾向にありそうです。いたってクリーンかつピュアではありますが、多少表情が鈍めな傾向にあるので、現状ではその美点や魅力がストレートに伝わりにくいかもしれません。今回は抜栓3日後、残り少なくなった時点でようやく一番大切な扉が開いてくれたので、内包する全ての要素を完全に引き出そうと思った場合、そのポテンシャルを信じて1年程度熟成させた方が良い結果が得られるかもしれません(とはいえ、昇華系の変化ではないので今飲んでもなんら問題なし)。
(2009/06)