- Good Quality -
サン・ジュリアンに位置する格付け第4級の「シャトー・ブラネール・デュクリュ」。今回の2004年は、元醸造責任者「フィリップ・ダルーアン」が1級のシャトー・ムートンにヘッドハンティングされた後、新たな体制とともに動き出した最初のヴィンテージとなります。
鋭さはないものの、現状では樽の苦みとタンニンの渋みが多くを占めています。酸はしっかりしているものの、相対的に果実味や体躯サイズ(骨格のスケールやボリューム感)が控えめになっているので、多少バランス面や訴求力に欠ける印象があります。
モダンで分かりやすい仕立てではなく、内部における充実感もそれなりなので、短時間で少量飲むといった場合はその魅力をあまり享受できないかもしれません(表情がややそっけない)。しかし、それでも根底に流れる風体に想像以上の品格が感じられるので(なかなか辿り着けないのが難点)、タンニン系の剛の要素が体躯外郭内にしっかり収まるようになれば、思いがけない美点と世界観を構築してくれそうな雰囲気ではあります。
今からでも十分飲める内容にはなっていますが、抜栓日に全部飲みきってしまうような飲み方だと過小評価してしまう可能性もあるので、現状では3日以上かけてじっくりポテンシャルを引き出すことをお勧めします(セラーに余裕があれば数年待った方が無難かも?)。
(2009/10)