- Good Quality -
三角ラベルが印象的な、「ABC」でお馴染みのオー・ボン・クリマが造るシャルドネです。20周年記念となった2000年ヴィンテージから始まったニュイ・ブランシュとブージュの融合ですが、今回の2008年は「リニューアル」というニックネームが付けられています。
体躯内部に込められた各要素のエネルギー感は十分なものがあり、ニュイ・ブランシュらしいリッチさと、ブージュらしい繊細かつスマートなスタイルがうまくパッケージングされています。まだ各要素間の境界がハッキリしている傾向にあるので、もう少し時間を与えた方が良さそうな印象ではありますが、ドライなパインや(非トロピカル)、ミントやハーブ系のスッキリ感、そして酸やミネラルなど、打ち出される表情はいたって明確なので今からでも十分楽しめると思います。
ワインそのものとしては素直に評価できる優れたものではありますが、その表情や世界観が少し面白い傾向にあるというか、しっかり完成されたスタイルというよりも、これからのヴィンテージに期待したくなるような(2009年以降も続けて飲みたくなるような?)、将来の展望を想像させる内容ということもあるので、味覚として感じる部分においては多少飲み手によって評価が分かれるかもしれません。とはいえ、オー・ボン・クリマらしい質実さやカリフォルニアという大地のエネルギーなど、コアにある魅力は十分なものがあるので、超ヘビー級ボトルや三角ラベルといった見た目の要素も含めて、この価格帯としては群を抜く個性と訴求力を兼ね備えていると言えそうです。
(2011/08)