- Good Quality -
セパージュはメルロー52%、カベルネ・ソーヴィニヨン36%、カベルネ・フラン12%。品種毎に醸造し樽熟成後、改めてブレンドしてボトリングしています。
重厚的なスタイルではなく、むしろどちらかというと軽快な立ち振る舞いで、旨味が十分乗った出汁系の要素に、メルローらしい角のとれた丸み、そしてやや梗的な青みを感じるハーブ風味(所謂メトキシピラジンのニュアンス)が広がります。軽やかで丸い酒質とグリーン系のハーブ感から、表層的にはオー・メドックのワインにも似た表情が主体となっていますが、土台となっている旨味部分とのコンストラストが印象的で、これが他にはない一種独特の世界観を生み出しているとも言えます。
翌日に持ち越すと、旨味要素が減衰し、代わりに苦みやハーブ感、そして当初感じられなかった重厚系の要素が強くなる傾向にあります。ボトルの底の方になると微粒な澱の影響でやや濁り気味になりますが、同時にかなり甘味が強くなる不思議な表情の変遷が見られます。純粋な味としては、親しみやすい価格帯のボルドー的な要素が強いので多少好みが別れる傾向にはありそうですが、それでもワインそのものの造りや質については十分な評価を得られそうな印象です。
(2022/04)