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ボルゴ・デル・ティーリョのニコラ・マンフェッラーリが生み出すワインで、トカイ、シャルドネ、リースリング、マルヴァジアなどのブレンドで造られます。ボルゴ・デル・ティーリョになれなかったワインの中から上級キュヴェを選んでボトリングされているだけあって、個性あふれるスタイルでありながらも、基礎的な部分での構築力はなかなかのものがあります。
抜栓日はまさに酒池肉林といった感じで、各要素がかなりわかりやすく素直に主張を続けます。多くの葡萄品種がブレンドされていますが、基本スタイルはイタリアの土着品種的な風味が強く非常に個性的で、どことなくジャッロ・デイ・ムーリと同じ匂いを感じます。そんな中でも特に印象的なのが、奮い立ち昇る圧倒的な果実の甘みと、ビリビリと迫り来る苦みが、交わり合うことなく同じ土俵で存在し続ける異質さで、S極とN極のような対極の存在が同領域に位置しながらも、なぜか頭での理解を超えて大きな違和感がないという不思議な世界になっています。翌日になると甘みが増大し、より魅力的な表情を見せますが、さらにその翌日になると落ち着きまとまり始めます。相対的に見るとパワーダウンともとれますが、逆に安定感が増し素直に楽しめるとも言えるので、ポジティブに受け取りこれこそが本来のスタイルだと解釈する方が、より良くポテンシャルを引き出せるのかもしれません。
(2003/12)