- Very Good Quality -
リッチできめ細かいスタイルになると言われる「カスティリオーネ・ファッレット」で生まれるバローロです。マンドルロ葡萄園のネッビオーロが使用され、通常は「ヴィーニャ・マンドルロ」として出荷されますが、この1997年はヴィーニャ・ダルバ協会が毎年一番優れたバローロに与える「セレツィオーネ・カヴァリエーリ」に選出されているので、1,000本だけがオリジナルラベルとして出荷されています。
抜栓直後は想像を絶するほど濃厚に甘く、よく熟したネッビオーロ・ダルバやアリアニコのような印象があり、少し南的な雰囲気を感じます。ここまで葡萄の果実味が際立っていると、「果たしてバローロである必要があるのか?」という疑問が脳裏を過りますが、時間とともに落ち着きバローロらしい堅牢で強固なスタイルへと推移していくので、じっくり時間をかけて向かい合えば程よい安心感が得られると思います。
デキャンタージュしてしばらく様子をうかがってみましたが、翌日になると各要素が落ち着くものの、それとともに今度は固く閉じ始める傾向にあります。溢れる果実実は落ち着きを見せますが、今度は痺れるようなタンニンと力強い樽の要素が体躯をきつく締め付けます。3日目になると次第に固さがとれ、力のある酸とアルコールが主体となった高貴な表情を見せてくれます。抜栓日は1997年の天候からくる「完熟葡萄の塊&それに負けないだけの強い樽」という印象が強かったのですが、最後の1杯を飲み干す頃には「力強くミッチリと詰まった気品あるバローロ」という印象に変化していました。最初はどうなるかと不安が募る一方でしたが、さすがは「セレツィオーネ・カヴァリエーリ」の称号を得ただけあり、トータル的には非常に満足度の高いものとなっています。
(2004/03)