- Good Quality -
ビオディナミを語る上では欠かすことのできない巨匠、まさにビオディナミの伝道師とも呼べる「ニコラ・ジョリー」のワイン「レ・ヴュー・クロ」です。
特に優れたクリュと呼ばれる「サヴニエール・クーレ・ド・セラン」や「サヴニエール・ロシュ・オー・モワンヌ」など、ニコラ・ジョリーが手がける他のサヴニエールと比較すると、この「レ・ヴュー・クロ」は比較的飲み頃も早く価格もやや抑えめなので、ニコラ・ジョリーの世界観を伺い知るにはちょうど良いアイテムだと言えます。
サヴニエールらしい凝縮感が伺い知れる綺麗な「黄金色」が印象的で、仄かに貴腐的な芳香も漂ってきます。どちらかというと「凝縮」というよりは「力強い」といった傾向にあり、体躯に力を感じるものの全体的にはやや控えめな印象で、スッと伸びるキレある様が冷ややかな表情を生み出しているので、親近感ある「下町の民」というよりは、やや距離感がある「町奉行」といった印象を受けます。
打ち出すスタイルはやや異なりますが、グラヴネルやラディコンのようなワインが好みの人であれば、このレ・ヴュー・クロの美点を遺憾なく享受できると思うので、ニコラ・ジョリー未体験の人であれば要チェックだと言えます。
(2007/07)