オー・メドックに属するワインですが(格付けは「クリュ・ブルジョワ・シューペリュール」)、実際にはマルゴーの南に位置しているようです。
セパージュはメルロー50%、カベルネ・ソーヴィニヨン50%。平均樹齢は25年で収量は48hl/ha。発酵はステンレスタンクで行われ、熟成は毎年半分が更新される樽で18ヶ月間となっています(年間生産20万本)。
手頃な価格の美味しいボルドーワインとして有名で、パーカーだけでなくRWGの評価も高くなっています。しかし、今回の1本は抜栓直後から異様なまでの「人工的香り」が漂い(しかもややブショネ気味)、インクやハーブ風味を中心とした多様性ある表情を構築してはいるものの、全体的に「安易で表層的」な傾向にあり、味に関しても樽の苦みや雑味が浮き気味で(総じてかなりチグハグ)、多様な要素が込められてはいるものの、「現代的な技術を駆使してソレっぽく仕上げてみた」という印象が強く、根本的な骨格が貧弱なおかげで全く質実さが感じられません。
(2007/07)