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2003 Percarlo
San Giusto a Rentennano生産者ワインリスト

Percarlo

1983年に誕生したペルカルロは、6つの畑から特別選別されたサンジョヴェーゼ100%で造られます。熟成はフレンチオークのバリックで20〜22ヶ月、その後ノンフィルターで瓶詰され6ヶ月熟成されます。ちなみに、この年の生産本数は18,366本となっています。

抜栓直後であっても、兼ね備えている良質さを具に感じ取ることができますが、良くも悪くも「2003年的ワイン」という指向性が基調となり、全体を通じて「人間の力と現代の醸造技術ありきで構成されている」という事実が色濃く反映されているように感じます。はっきりと感じ取れるエネルギーや、過熟果実と高アルコールをベースにした分かりやすい方向性など、国際基準で評価されるであろうクオリティやスタイルは見事なまでにクリアされていますが、方向性の問題として「サンジョヴェーゼの本質を真に表現したようなワインではない」と言える世界観でもあるので、ある意味、時流を追う形でのマジョリティ向けワインなのかもしれません(そういう意味では2001年と相通じる部分があるかも?)。

細部の表情は異なるものの、概要としては多くの2003年クオリティ系トスカーナワインと似た傾向にあり、熟度が高く身が詰まっているものの、やはり体躯そのものは柔からさや儚さを内包した状態なので、表層に感じ取れるポテンシャル要素と、その受け皿になる部分とのギャップがどうしても気になります。いたって良質ではあるものの、バランス面に潜在的な問題を抱えている状態だと言えますが(あくまでも現状の話なので将来的にどうなるかは未知数)、さすがにレンテンナーノが手掛けるワインなだけあって、全体を見据えた場合は「しっかり纏めてきた」という印象があります(良い仕事をしている印象)。このあたりのパッケージングの良さは同じ2003年のバロンコーレよりも一回り上だと思うので、ある意味「やはりペルカルロはひと味違う」といったところなのかもしれません。

モダンスタイルなこともあり、今でも決して飲めない状態ではありませんが、まだまだ各要素の立ち振る舞いが確定されていないので、ペルカルロの持つポテンシャルと世界観を存分に引き出すのがやや難しい傾向にあります。特にグラスによる影響は大きく、どのタイプのグラスを選択するかでかなり表情が変化するので(現状では「このグラスが最適!」と言えるものが見つからず…)、目の前にあるその姿だけですべてを判断するのは避けた方が良いかもしれません。

いたって表層的なスタイルではあるものの、一歩踏み込んで情景が見えるレベルまで昇華してくれるあたりはさすがだと言えますが、それでもやはり「アメリカ(というか国際市場)を向いたような指向性」なのは確かなので、ブルゴーニュ派や自然派な人など、滋味的要素に主眼を置く人にとっては特筆すべき要素が特にないとも言えます。そういう意味では、各ワイン誌による「高い点数評価」のみを見て判断するのはやや危険だとも言えるので、事前に自らの嗜好性や求めるスタイルを明確にしておくことがより大切になってくると思います(良質なワインであることに間違いはありません)。
(2008/03、2013/11

参考市場価格7,339円~9,030円(平均約7,529円)
点数評価92+/94(RWG)、93(WA)、93(V)

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