- Good Quality -
体躯内部の資質としては、ゆるやかなゆとりを感じる豊満な丸さや、それに伴う充実した果実感が、キッチリと、そして無理のないレベルで充満していますが、残念ながら表層にタンニンの収斂や粒だった苦みなどが集まっているので、現状では多少バランス感覚が気になるところではあります。しかし、その全容はいたってポジティブで、ロック・ド・ジャンリスらしい安定した造りの良さや、価格からは想像しにくい質実さなど、その本質は大いに評価できるものとなっています(まさに700円前後のボルドーとは思えない内容)。
現状ではしっかり時間を与えた方が良い結果が得られる傾向にあり、抜栓3日後ほどになると、表立った苦みが打ち解けることで滑らかな飲み口が得られ、その結果より良い全体像が得られるようになります。もし今飲んで抜栓日の表情に距離感を感じるようなことがあれば、そのまま栓をして数日置いておくというのもひとつの手かもしれません。
(2010/06)