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ダリオ・プリンチッチのアイテムとしては最もお手軽なレンジに位置する「ヴィーノ・ロッソ」です(もともとは蔵の1階で営んでいた居酒屋で量り売りしていたワイン)。セパージュはメルロー70%、カベルネ・ソーヴィニヨン30%。
北イタリアと言えば多様性ある土着品種の白ワインが非常に印象深くなっていますが、ダリオ・プリンチッチの造るワインは白もさることながら、想像以上に赤が印象深い内容になっています。カベルネ・ソーヴィニヨンも非常に良質な造りでしたが、如何せん価格が高く入手もし難いという大きな問題がありました。しかしこのヴィーノ・ロッソは、いたって現実的で気軽に試せる価格帯にありながらも、強く濃縮した旨味(梅系)と酸(やや揮発的)が相まった魅力ある表情が構築され、日本人的な味覚指向であればより美点を感じられるスタイルになっています。非常に色調も濃く濃密ではありますが、ダリオ・プリンチッチらしいクリーンさや親近感が程よく加味され、北イタリアらしい軽快さをベースとした魅力的なスタンスが維持されているので、無理なく素直に飲み進めることが出来ます。
個性あるスタイルではあるものの、必要以上に飲み手を選ぶような系統ではないので、もし機会があれば一度試してみてもらいたいところです。もしかすると、自らの視野を広げるためのちょうど良い1本になってくれるかもしれません。
(2013/04)