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ティエリーとパスカル夫妻が手掛ける、ムルソーの老舗ドメーヌ「マトロ」。そんなマトロによる「遅摘のアリゴテで造られる甘口ワイン」が、「生意気」という意味となるこの「レフロンテ」。アリゴテの甘口ワインなど、これまで聞いた事もありませんでしたが、意外や意外、受けるイメージとは異なり、実際の中身に関してはいたって質実で良質な仕上がりとなっています。
モワルーと表記されていますが、実際の残糖は100gほどあるようで(ヴィンテージによって差があり、2007年は79gだったようです)、かなり豊かな蜜系の甘味が感じられます。また、その甘味に負けないだけの酸があり、ミッドからハイトーンにかけて程よいアクセントになっています。フィニッシュは短めでスッと切れますが、ダレのないキレこそが酸の持つ魅力でもあるので、総じてポジティブな印象を受けます。遅摘由来しっかりした甘味だけでなく、貴腐菌による多様性ある表情も適度に感じられ、非常に魅力ある個性と表情を披露してくれます。
コアの塊感や充足感等、さすがはムルソーの老舗の造り手といった印象でもあり、良質な白ワインの持つ要素が随所に垣間みれます。アリゴテの甘口という独特の存在感からして、かなりマニア受けしそうなアイテムではありますが、逆に一般向けとして飲んでもらいたい素直な良さを内包しているので、希少性と価格帯の両側面をクリア出来るようであれば、是非試してみてもらいたいところです。
(2013/12)