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村のほぼ中央部、ヴォーヌ・ロマネ側の斜面に位置するオー・トレイ(クリマ中央の0.6haの区画から造られる)。まさにプルミエ・クリュらしい充実した密度にワンランク上の肉厚感、そしてその塊感ある体躯の上層レンジにアクセントとなる酸が広がります。造りは現代的で、体躯に馴染む程よい樽使いなど(新樽比率は50%)、細部まで丁寧に仕上げられた印象があります。格上感ある充実した世界観と、旨味と甘味が一体となった魅力ある果実味、それらを纏めるバランスの良さなど、「栽培」と「醸造」、その両方が高い水準で構築されていることが具に伝わります。
ダヴィド・デュバンの持つ良質な手腕が遺憾無く味わえるだけでなく、偉大なヴィンテージのプルミエ・クリュでありながらも現実的な価格帯を維持している点など、非常に有用な存在だと言えそうです(生産量減の影響もあってか、2011年以降は大幅に価格が上昇しているのが唯一の気がかり)。
(2015/08)