- Good Quality -
Kヴィントナーズの赤ワインは基本的にシラーがメインになりますが、一部例外もあり、グルナッシュ、カベルネ・ソーヴィニヨン、サンジョヴェーゼ、マルベック、テンプラニーリョなど、他の品種を使用したワインも極少量ですが造られています。
ザ・クリエイターには、ワラ・ワラ・ヴァレーにある「リヴァー・ロック・ヴィンヤード(オーナーはダナ・ディブル)」の葡萄が使用され、2011年のセパージュ比率はカベルネ・ソーヴィニヨン70%、シラー30%となっています(比率はヴィンテージによって多少変化します)。
数値としてはカベルネ主体になりますが、実際の印象はカベルネらしい堅牢感あるスタイルというわけではなく、全体を通して妙なほどニュートラルな指向性を持つ、やや淡々とした表情になっています。各要素は主張が大人しく(よく言うと纏まりはある)、仄かなグリーンハーブやメントールのようなニュアンスは感じられるものの、酒質そのものは所謂シラー的な軟質さがあり、控えめな果実味と2011年らしい冷涼感が相まって淡白な印象を受けます。トータルバランスとしては良好な傾向にありますが、飲み手に訴えかけるような迫力がやや欠けているとも言えそうです(もしかするとボトル差かも?)。
ザ・ヒドゥンやキャトル・キングとは異なり、2011年というヴィンテージのスタイルがポジティブな結果を生み出していないようにも感じられますが、それでも決して悪くはないので、今度は改めて2012年や2013年といった他のヴィンテージを試してみたいところです。
(2017/02)