- Good Quality -
近年見直されつつある品種「ガルナッチャ」に注目した、ビンタエの新しいプロジェクトがこのシリーズ。プリオラート、アラゴン(カラタユド)、モンカヨ(リベラ・デル・ケイレス)といった各地から、ガルナッチャの本質を表現したワインが造られています。
畑の標高は850m、樹齢は70年。「アラゴンの忘れられたガルナッチャ」と名付けられたこのキュヴェは、凝縮した果実のエネルギーを一身に受けながらも、決して重くなりすぎず、適度な滑らかさを持ち得ています。今回のロットはある程度の年月が経っていることもあり、適切に彩度が落ち着き、橙のニュアンスが伝わる程よい熟成感が出ているものの、果実そのものは凝縮した甘さがあり、若かりし頃のキュートさもどことなく感じられます。体躯そのものは軟質ですが、中心に密度のあるコアがしっかりと位置しているので、バランスが崩れることは特にありません。
抜栓日の印象では、思ったよりも熟成感が出ていたのでもう少し早く飲んだ方が良い気もしましたが、翌日に持ち越すと一体感のある心地良い表情によって求心力が増す傾向にあったので、スペイン特有の「古酒になるまで熟成させた場合の魅力」の一端を垣間見ることができそうです(パラシオ・デ・アルガンサ+現代的志向かつ凝縮した葡萄といった雰囲気も)。
(2017/05)