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ドイツ人の「カイ・シューベルト」とパートナーの「マリオン・ダイムリング」がワイララパで興したワイナリー。近年、非常に高品質なピノ・ノワールを造ることで世界的な評価を高めています。
主にディジョン・クローン(115、667、 777、114、113と言う5種類の選抜)で造られる、シューベルトを代表するキュヴェがこの「ブロックB」。新樽比率はマリオンズ・ヴィンヤードよりやや高く45%で、熟成期間は18ヶ月となります(100%除梗)。
マリオンズ・ヴィンヤードとの大きな違いは表層の硬質感で、煌めきのあるクリアな資質がよりクッキリとした輪郭を生み出しています。新世界らしからぬ、端正で落ち着きのある佇まいが好印象で、品位のある姿を持っている反面、果実そのものが持つ資質は完熟系のニュアンスを兼ね備えています(とは言え、ジャム的資質はなし)。時間をかけて向き合うと、果実には仄かに古風な要素もあり、旨味と重なって昆布茶のような雰囲気も微かに感じられますが、全体像としてはよりポテンシャル系の要素を色濃く感じる、凛々しい姿を堅持しているのが印象的です。
上級キュヴェとは言え、今からでも十分楽しめるのがポイントで(シューベルトのワインはいずれも早くから楽しめる)、余裕があれば数年待っても面白そうですが、まずはポテンシャル系の緊張感のある佇まいがより感じられる、若い内の魅力を最初に楽しんでもらいたいところでもあります。
(2017/05)