- Good Quality -
大沢ワインズの原点であり、フラッグシップとも言えるシリーズがこの「フライング・シープ」。一時期はフライング・ムートンという名称でもリリースされていましたが、開梱した畑がもともと放牧地で、そこにいた羊達には新たな土地に移動してもらったという経緯を踏まえ、この名がつけられています。なお、2014年のソーヴィニヨン・ブランは、自社畑の開墾10周年記念ということもあり、限定生産で100本のみ「夢」と記された特別ラベルでリリースされています(限定ボトルはスクリューキャップではなくコルク)。
2013年とは180度異なるスタイルなのが非常に印象的で、ソーヴィニヨン・ブランらしい清涼感が主体となった爽やかな表情と、気軽に飲める低いアルコール(11%)で構成された軽快な世界観となっています。抜栓日は特にその傾向が強く、マールボロのソーヴィニヨン・ブランに近い親しみやすい表情が広がる反面、やや希薄でスッと収束する後味が気になるなど、従来の大沢ワインズらしい充実した果実味やエネルギーはかなり控えめな傾向にあります。とは言え、内包するコアそのものにはしっかりとした堅牢感と充実感が込められているので、翌日に持ち越すぐらいの時間を与えてやれば、この世界観でも十分満足できるポテンシャルを引き出すことは可能です(土台がしっかりしているので時間とともに尻上がりに向上していく)。
このスタイルの変化は2014年のみなのか、それとも根本的に醸造方法を変更したのか、詳細は不明ですが、以前の大沢ワインズのスタイルに慣れ親しんだ人にとっては、新しいヴィンテージに関しては多少注意が必要なのかもしれません。
(2018/05)