- Good Quality -
南アフリカにおけるピノ・ノワールとしては、トップクラスに位置する造り手「ニュートン・ジョンソン・ヴィンヤーズ」の、上位レンジとなる「ファミリー・ヴィンヤーズ」のブレンド赤ワインがこの「グラナム」。産地は海沿いから4〜8kmに位置するアッパー・メヘル・アン・アード・ヴァレー。セパージュはシラー75%に、ムールヴェードル25%。2015年の生産量は750mlボトルで10,500本のみとなっています。
ボディは緻密で充実感があり、ワインの造り自体も下のレンジのピノとは明らかに差異が感じられます。とはいえ、不思議な清涼感や芯が硬くややごわついた酸、そしてヒリヒリと痺れるような辛味など、全体像はクリーンで精緻なものの、なぜかうまく訴求してこない傾向にあります。醸造面でやや人為的なコントロールが強い傾向にあるのか、強気な舵取りによって強制されているかのような、どこか窮屈でとっつきにくい印象を受けるのが残念なところかもしれません。
とにかく終始硬い印象で、現時点で既に6年経過しているのにも関わらず、まだ表情が解れるのは遥かか先といった印象だったりもします。仮に今飲んだとしても、抜栓後3日経過してようやく各要素に落ち着きが見られるといった傾向にあったので、本質的な良さを存分に引き出そうと思うと、一般的にはやや扱いが難しい部類に入るのかもしれません(逆にいうと、サービスする側の腕の見せ所かも)。
(2021/03)