- Good Quality -
父から受け継いだ「ステルハイス・ワインズ」の現オーナーでもある「ヨハン・クルーガー」が、ベルギー人の妻ソフィーとの結婚を機に設立したワイナリーがこの「クルーガー・ファミリー・ワインズ」。
ウェスタン・ケープの様々な地域から葡萄を購入し、テロワールを意識したナチュラルな造りを行なっているクルーガーですが、他のキュヴェと同様、風化した花崗岩土壌にフォーカスした新しいキュヴェがこの「エランズクルーフ」。標高600mの高台にある畑の葡萄が使用され、100%除梗、そしてステンレスタンクで12ヶ月間熟成されます。
手頃な価格帯のピノということがストレートに分かる世界観で、純粋な果実力やポテンシャルはクラス相応、さらに言うと純粋な点数評価としてはあまり期待できるタイプではありませんが、それでもなぜか不思議な良さや訴求力を感じる傾向にあります。程よい果実感はあるものの、細く鋭い酸が主体となっていることもあって、基本的にはワイン単体で楽しむようなタイプではなく、料理と共に嗜むことで本来以上の良さを享受できるような、現実的な消費型ピノといった世界観になっています。己のスタンスを理解したパッケージングがなされていると言うこともあり、その酸を生かして料理とうまくマリアージュさせれば、日常を彩る存在として非常に高い満足感が得られる傾向にありそうです(スクリューキャップなので気軽に楽しめる)。価格帯を考えると、想像以上に良く出来た良好なピノといった印象です。
(2021/03)