- Good Quality -
長野県原産地呼称管理制度認定ワインで、使用されているシャルドネは、長野県の東御市にある自社畑で栽培されています(畑の標高は850m)。2019年の生産本数は僅か5,149本のみ。
過去、洞爺湖サミットや伊勢志摩サミットの会食で提供されたことのある実績あるアイテムで、今回の2019年ヴィンテージは収穫前となる9月が好天に恵まれたことで、2010年代ではベスト3に入るほどの優れた作柄となっています。
ヴィラデストのワインに共通するクリーンかつエレガントな佇まいが非常に印象的ですが、他のアイテムと比較すると、輪をかけて丁寧な造りなのが伝わります。ややグリーンがかかった清涼感ある表情で、終始スッキリとした冷涼産地らしい仕上がりですが、コアにはしっかりとした充足感があり、仄かにレモンや樽由来の要素が漂います。他のアイテムに見られた鮮烈な風味はかなり控えめで、質実な側面によりスポットを当てて構成しているような印象を受けることもあり、その質感は非常に綺麗なものとなっています。
抜栓直後からその良質な表情は存分に堪能できますが、抜栓翌日に持ち越すことでさらに定位感が増す傾向にあります。とはいえ、基本的にエレガントで清涼感あるスッキリとしたスタイルということもあってか、クオリティは十分高いものの、圧倒的な世界観や訴求力を放つようなタイプではないので、価格帯を考慮すると、まずはより手軽な価格の他のアイテムから飲み初めて、ヴィラデストのワインが持つ世界観をさらに掘り下げたい場合に選択するようにすれば、さらに高い満足感が得られそうな印象です。
(2021/07)