- Good Quality -
基本的な世界観は前年同様で、しっかりとした甘旨味がベースとなった、比較的分かりやすいストレートな魅力を持つピノ像が展開されます。抜栓直後はやや酢酸系のニュアンスが広がる傾向にあるものの、時間とともに如実に甘旨味が増大し、30分から1時間程度経過する頃には魅力が全開、結果としてオフフレーバー系の要素はほぼ完全にマスキングしてくれます。
翌日に持ち越すと全体的に表情が落ち着き、オレンジのニュアンスが出始めるとともにより穏やかになりますが、それでも酸と甘旨味、そして程よい収斂要素とのバランス感は概ね良好で、総じて魅力あるピノ像が展開されます(不思議と常にゆらゆらと揺蕩う傾向にはある)。全体的に前年の2016年よりも良好な印象ではありますが、それでもハイエンドらしい圧倒的な存在感を誇るようなスタイルではなく、あくまでも分かりやすい甘旨味を生かして優しく訴求するタイプなので、抜栓後1時間から1時間半程度経過した状態を目安にしてサービスすれば、ピンポイントでかなり高い訴求力を発揮してくれそうな印象ではあります。
(2022/04)