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1612年にカプチン会の修道僧によって創設されたのがこのドメーヌ・ヴァインバック。サント・カトリーヌと名付けられたこのキュヴェは、シュロスベルグの丘の麓とル・クロ・デ・カプサンの区画から造られています。
想像するピノ・グリ像を大きく超えた、独自のビジョンを持つ世界観が展開されるのが非常に印象的です。全体像としては比較的スッキリとコンパクトに纏っているものの、アタックから濃密でエキス化された甘味がストレートに伝わり、後味にかけてヒリヒリとしたスパイシーな辛味が全体をうまく引き締めます。白系や黄系の果実味やシトラス風味の収斂感など、シンプルな中にも多様な要素を内包していて、明確な甘味と辛味の対比などからして、ピノ・グリというよりもむしろゲヴュルツが持つ世界観に近い印象を受けます。
アルコールは14.5%と非常に高くなっていますが、実際にはアルコール感は全く感じられず、むしろスッキリとした流麗さや濃密な甘味によって、非常に心地よくスルスル飲み進められます。ワイン単体で完成された仕上がりなので素直に楽しめますが、内包する甘味が明確なこともあってか、日常的な食事とはやや合わせにくい印象でもあります。
(2022/06)