- Good Quality -
セパージュは山形県産のデラウェアが90%にナイアガラが10%。ベースとなるのは除梗したデラウェアを24時間スキンコンタクトしたキュヴェで、そこに12時間スキンコンタクトしたナイアガラとデラウェアをブレンドして造られています。発酵と熟成はステンレスタンクで7ヶ月間、野生酵母で発酵し、無清澄、無濾過、無補糖、無補酸、さらには酸化防止剤も不使用と、「Made of 100% Grapes」の名に相応しい自然なワイン造りを行なっています。生産本数は3,947本のみ。
一般的な自然派のイメージとはやや異なり、終始クリーンかつピュアなのが非常に印象的で、不安定な要素やオフフレーバー系の要素は一切ありません。若干の微発泡感は残っていますが、アタックからパインのシロップ煮を彷彿とさせる鮮烈な香りが伝わり、溌剌とした要素が広がります。酒質そのものの想像以上に安定していて、奥底にあるリンゴのニュアンスが程よく全体を引き締めている印象でもあります。独特の個性ある香りということもあってか、高級感ある佇まいではありませんが、それでもラブルスカ種で造られたワインとは思えない良質な表情が非常に好印象で、シャルドネなどのヴィニフェラ種で造られると対峙しても決して引けを取ることはないと思います。アルコール度数が12%というのも驚きで、ナイアガラをブレンドして補糖なしで醸造しているにも関わらず、ここまでアルコールが上がるということは相当糖度が高く質の良いデラウェアが収穫できたということの裏返しなのではないでしょうか。
(2024/12)