- Good Quality -
セパージュは山形県南陽市産のロザリオビアンコ34%、ナイアガラ33%、デラウェア33%。全体の半分を7〜13日間全房発酵し、全てアンフォラを使って熟成させています。ブレンドは2023年の5月。熟成期間は8〜9ヶ月間。野生酵母で発酵し、無清澄、無濾過、無補糖、無補酸、さらには酸化防止剤も不使用と、「Made of 100% Grapes」の名に相応しい自然なワイン造りを行なっています。生産本数は2,602本のみ。アルコール度数は10%。
色調はややピンクがかった橙色で、アンフォラ熟成ということからもわかるように、実質的にはオレンジワインのカテゴリーに属しているとも言えます。シャインマスカットにも似た品種でもある「ロザリオビアンコ」を1/3使用しているという点も興味深いところではありますが、水のようなナチュラルな佇まいに、瑞々しくフレッシュで僅かな発泡感があることなど、他のグレープ・リパブリックのワインと共通項が多いので、どちらかというと品種の個性よりも造り手のスタイルの方がより明確になっているとも言えそうです。反面、オレンジワインとして捉えると実際の風味以上にしっかりとしたタンニンが感じられ、スキンファーメントによって果皮からの成分がかなりしっかりと抽出されているような印象を受けます。表層的にはフレッシュでありながらも、特徴的な酸の資質はアンフォラ熟成らしいやや退廃感を伴うもので、これらの対比が独自の個性を生み出している傾向にあります。
(2024/12)