- Good Quality -
パヴィア県のロッカ・スゼッラに位置する、家族経営の生産者がこの「モンド・アンティコ」。標高400mの丘が全て自分達の敷地という環境下でビオディナミを実施、さらに醸造に関しても人為的な介入を極力避ける手法で自然に近いワイン造りを行なっています。
「シレ」は15hlのステンレスタンクを使用し野生酵母で発酵、マセラシオンは6日間、酸化防止剤は使用せずノンフィルターでボトリングしています。セパージュはシャルドネですが、しっかりとマセラシオンを行う所謂「オレンジワイン」として仕上がっていて、実際の色調もかなり濃い赤銅色なので、もはや品種がどうこうという次元にはなくかなり明確な個性を解き放っています。自然派ワインらしいスタイルではありますが、それでも表情そのものは意外と素直で、マセラシオンの効果によるしっかりとしたタンニン、そしてそのドライなタンニン由来の軋みや収斂感はあるものの、それでも14%という高めのアルコールによる安定感も手伝ってか、終始表情が崩れることはありません。ノンフィルターなので底にはかなりの澱があり、ボトルの残り1/3ぐらいからはかなり濁った色調になるので、見た目的にも実際の味としても、基本的には自然派のスタイルに寛容で理解の深い層向けなのは確かです。
(2025/01)