- Good Quality -
バローロやバルバレスコでお馴染みの葡萄品種「ネッビオーロ」で造られるのがこの「ガッティナーラ」。今回は熟成期間がより長いリゼルヴァで、4年間の熟成の内3年は様々なオーク樽で熟成され、さらに瓶内熟成が8ヶ月間となります。
リゼルヴァらしさを感じる仄かな苦味はあるものの、全体像としてはバローロやバルバレスコと比較するとかなり軽やかで、程よい熟成感を内包するものの、それでも表層的には純粋な果実感(赤系寄り)がより感じられる小気味良いスタイルとしてうまく仕上がっています。翌日に持ち越すと表情が一層柔らかくなり飲み手との距離感も一気に近づきます。抜栓当初感じられた仄かな苦味はうまくボディに溶け込み、優しい表情の内に秘めた果実味のコアがうまく芯になっている傾向にあります。
熱で変形したかのようなグニャリと曲がった独特の形状のボトルが使用されていますが、見た目の個性とは裏腹に、実際のスタイルとしては安定指向の王道的なパッケージングだとも言えるので、基本的には安定して過不足のないポテンシャルを常に発揮してくれそうです。世間の評価が高いこともあってか、純粋なコストパフォーマンスとしては分が悪い傾向にはありますが、それでもネッビオーロという品種のまた違った個性を垣間見るための選択肢としては、そう悪くはない印象ではあります。
(2025/05)