- Good Quality -
山梨県韮崎市の栽培農家「渡部さん」の甲州を京都の四条河原町にある髙島屋、その新館「T8」ゾーンの地下1階「Eat8」ゾーンにある完全都市型のアーバンワイナリーで醸造。野生酵母で醸造し、酸化防止剤を一切使用せずそのままノンフィルターでボトリング。アルコール度数10%。
一見するとワインとは思えないほどの「濃厚なオレンジ色」が印象的で、これぞまさにアンバーワインといった個性の強い仕上がりになっています。一般的な甲州のイメージといえば淡白で軽快な立ち振る舞いを想像しがちですが、京都ワイナリーでは通常の2倍の量の果皮を搾汁した甲州に漬け込むことで、甲州らしからぬ際立った個性を構築しています。色の濃い柑橘系のニュアンスに加え、退廃的な酸が全体を支配していますが、それでも無濾過のワインらしく澱をかなり多く含むこともあり、アミノ酸の旨味と複雑味がギリギリのところでバランスしている傾向にあるので、突出した個性を有している割には意外な程素直に飲めてしまう側面もあります。際立つ酸はもはやバルサミコを彷彿とさせるレベルではありますが、それでも瑞々しさや自然と体に染み入る浸透感、そして後を引かない後味のスッキリさなど、その個性に対して拒否感が出ない絶妙なラインでうまく誘導しているとも言えるので、基本的には「自然派のワインが好きな層向け」ではあるものの、そのハードルを自然に超えられる人であればなんら問題なく楽しめるので、少なくとも従来の価値観とは異なるワインを積極的に求める人には大いにお薦めできそうです。
(2025/08)