- Good Quality -
コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエの元醸造長でもある「フランソワ・ミエ」とのコラボレーションとしても知られるのがこの「プロフェッツ・ロック」。
プロフェッツ・ロックのピノ・ノワールには「オレアリア」や「ソフォラ」など複数のキュヴェが存在しますが、今回のキュヴェは標高320〜400mにある「ホーム・ヴィンヤード」のピノ・ノワールで造られます。
黒系果実の要素を感じるスタイルではありますが、ボディは厚みがあるタイプではなくむしろタイト気味で、全体としては軋みや硬さ、そして表情をしっかりと引き締める清涼感を兼ね備えたスタイルになっています。果実感そのものはニューワールドらしい資質で、同じセントラル・オタゴでもあるサトウ・ワインズのノースバーンにも似た黒系果実の要素がベースにありますが、その反面、厚みや重量感は意外とオールドワールド的で、その硬さは北海道の山﨑ワイナリーのピノにも似た資質でもあるので、ある種独特の世界観と個性を有したピノ・ノワールと言えるかもしれません。
唯一気になるのは、状態としてやや還元傾向にあることで、そこまで際立ってネガティブではないものの、それでも硫黄や腐卵臭のオフフレーバーが抜栓直後に感じられるので、場合によっては数時間程度待つか、もしくは抜栓翌日に持ち越すほうが無難かもしれません(しっかり時間を与えれば特に気にならなくなります)。基本的には早くからでも飲めるスタイルではありますが、それでも可能であれば最低でも2026年以降、欲を言えば2027〜2028年あたりまでは待ちたい印象でもあるので、このクラスのワインを気軽に飲める層でなければ、少し余裕を持ってしばらく待ってみたい印象でもあります(熟成というよりは全体的なバランス感や一体感の改善を期待)。
(2025/09)