- Good Quality -

3世代続く葡萄栽培農家を2000年に引き継ぎシャンパーニュの原酒造りをスタート。その10年後に自身のRMシャンパーニュブランドを立ち上げたのが「ジュリアン・プレラ」。畑はコート・デ・バールの中で最もレコルタン・マニピュランが多く存在するセル・シュール・ウルス村にあり、その広さは僅か2.5haほど。さらにその畑の1/3を自身のシャンパーニュで使用し、年間生産本数は約8,500本となっています。
ジュリアン・プレラと言えば「単一品種」「単一区画」「単一収穫年」というこだわりを持っていますが、今回のキュヴェは「2022年」に「シャントメルル」という畑(南西向きの斜面で土壌はキンメリジャン)で栽培された「ピノ・ノワール100%」で造られるブラン・ド・ノワールになります。植樹は1982年。生産本数はブティーユ7,300本、マグナム120本、ジェロボアム5本とごく僅か。ドザージュは4g/lのエクストラ・ブリュットで、デゴルジュマンは2024年3月。
コート・デ・バールの主要品種でもあるピノ・ノワールということもあり、この地のテロワールとジュリアン・プレラのスタイルを知るにはちょうど良いアイテムだと言えそうですが、全体像としては他のキュヴェと同様で、良好なバランスのもと、シンプルに纏められた構成要素と短く収束する軽やかな余韻が印象的です。そういった意味ではジュリアン・プレラらしい世界観がストレートに感じられるとも言えますが、キンメリジャン土壌らしいシャープでキレのある凛とした輪郭感に、桃を感じる果実味が良好な表情を生み出していて、どちらかというと「シャンパーニュらしさ」よりも「ピノで造られる独自の個性を持った白ワイン(に泡が追加されている)」と言った傾向にあり、ベースとなるワインとしての良さをより感じる印象でもあります。
(2025/09)