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フランス系品種をベースとしたイタリアワインの代表格「サンマルコ」。2015年のセパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン65%、メルロー30%、サンジョヴェーゼ5%となっています。以前とは異なりメルローの比率が大幅に上がっていることもあり、そのスタイルも時代に合わせて大幅に変化しています。
10年経過したオールドヴィンテージですが、状態はいたって健全で、特に熟成感が出始めているようなこともありません。カベルネ主体らしく豊富なタンニンを含有しているものの、ボディそのものは非常に丸く柔らかで、カベルネらしい骨格的要素はほぼ皆無です。イタリアワインらしい酸味もしっかりと主張しているものの、アルコール度数が14.5%とかなり高くパワーがあり、全体像としても親近感を生かしたモダンなスタイルとなっています。ただ、残糖を感じる甘味が思いのほか明快なことから、抜栓日はややこの性質が気になる瞬間もあります。とは言え、10年経過してもまだフレッシュさを感じる溌剌さがあり、豊富な果実味とタンニンによって内包するポテンシャルは十分なので(それでいて難易度は低く明快)、小難しく感じることなく楽しめるその資質を素直に享受できる印象でもあります。
(2025/10)