- Very Good Quality -

「サッシカイア」「オルネッライア」とともに「三大ボルゲリ」と呼ばれ、ワイナリーの創設も1977年と、サッシカイアに次ぐ歴史を持っています。ボルゲリらしくカベルネ主体ではありますが、2015年に関してはカベルネ・ソーヴィニヨン65%、メルロー20%、サンジョヴェーゼ15%というブレンド比率となっています(ビオ認証済み)。
10年の熟成を経ているものの、状態の良いボトルということもあってか、まだ初期の飲み頃に突入した手といったような状況で、完全開花するまではもう少し時間がかかるかもしれません。14.5%と高いアルコール度数を誇り、リッチで緻密な要素で構成されていますが、それでもボディはややタイトで純粋な重量感としてもどちらかというと軽やかな系譜にあり、全体像としてはボルゲリにおけるモダンワインらしいスタイルだとも言えます。とは言え、樽要素由来の優しいバター風味や明確で強い苦味が感じられ、指向性としては完全モダンスタイルというよりも、そこまで洗練され切っていないような、ある種の野暮ったさを内包したような荒さが印象的で、こういった要素こそがまさに「グラッタマッコらしい個性」とも言えるので、同じ三大ボルゲリとは言ってもサッシカイアやオルネッライアとは異なる立ち位置と世界観になっています。
苦味は強くタンニンは豊富ですが、ボディはやや丸くメルローらしい親近感があり、清涼感のあるハーブの風味に仄かな漢方系の要素がアクセントになっていて、サンジョヴェーゼが少しブレンドされていることからも分かる通り、イタリアワインらしい酸味を生かしたタイトな引き締まりから、その個性を前向きに捉えられる層からすると高い納得感が得られる傾向にあります。とは言え、逆に言うと幅広く万人受けするタイプとはやや異なるのは確かなので(そう言う層にはサッシカイアやオルネッライアがお薦め)、まずはグラッタマッコという存在に対する理解を深めることから始めることをお勧めします。
(2025/10)