- Good Quality -

大阪出身の「天花寺弓子(醸造責任者)」と「下川真史(栽培責任者)」が山梨県北杜市明野で興したワイナリーが「ドメーヌ・デ・テンゲイジ」。「未来につなぐほんまもんのワイン。」というコンセプトのもと、上質で環境に優しいワイン造りを行っています。
「ヴァン・アビチュール」は地元の契約農家からの葡萄で造られるアイテムで、「いつもの=アヴィチュール」という意味を込め、日常の食卓で楽しんでもらうシリーズとなっています。今回のブランはシュール・リーと樽熟成の甲州をブレンドし、アルコール度数は11%。
従来の一般的な甲州像とは異なる表情を持ち、豊かな風味は収穫直後の葡萄をそのまま丸齧りしたかのような不思議な果実感となっています。一般的な甲州のニュートラルな資質とは異なり、グレープフルーツやライチなどの要素を内包するフレッシュで鮮烈な風味が広がるので、もしかすると使用している酵母等の影響によってこう言ったスタイルに仕上げられているのかもしれません。また、樽要素のリッチな資質も仄かに感じられ、ベースは気軽に飲めるような世界観でありながらも、他の甲州とは全く異なる明確な個性を持っているのが面白いところでもあります。
全体像としてはかなり面白いスタイルの良好な甲州と言った印象ではありますが、ただ、一般的な日本の日常の食事とはやや合わせにくい表情と言う事や、数日経過させると硫黄系のオフフレーバーが仄かに表に出始めると言う点がやや気になるので(最後まで消えず)、日常向けとは言ってもやや飲み手を選ぶスタイルと言えるかもしれません(それでも造りそのものは丁寧で良好)。
(2025/10)