- Very Good Quality -
2017 Charmes-Chambertin
Domaine Armand Rousseau
ジュヴレ・シャンベルタンの象徴とも言える圧倒的存在感を放つ偉大な生産者が「アルマン・ルソー」。テロワールを的確に表現する造り手で、今回のシャルム以外にも、シャンベルタン、クロ・ド・ベーズ、リュショット、マジと、名だたるグラン・クリュを数多く所有しています。
シャルム・シャンベルタンはアルマン・ルソーの中では最も飲み頃が早く訪れるグラン・クリュでもあり、シャルムの2区画とマゾワイエールの1区画をブレンドして造られています。抜栓直後から甘い赤系果実の香りが広がり、果実そのものの強度と素直な魅力が具に伝わります。ボディは豊満で柔らかいながらも、清涼感のあるスッキリとした資質とやや収斂要素を纏うドライな軋みやタンニンが柱となり、時間と共に静かに目覚めから解き放たれていく印象でもあります。抜栓直後はやや端的な傾向にありますが、時間と共に昇華していく傾向にあり、少しずつ厳格な表情が前に出るようになります。翌日に持ち越すぐらいしっかりと時間を与えると、果実の力を感じる甘旨み系の要素と、屋台骨となる構造面とのバランスの妙が集約され、尻上がりに説得力と集中力が増していきます。スタイルは違えど、DRCのように明快な表情がベースにあり、どこかニュージーランドや南アフリカのトップ生産者とも共通するような資質を有しているとも言えます（ニューワールドの躍進によって、現代においてはトラディショナルスタイルとモダンスタイルの折衷的型と言える側面も大いにありそう）。
現時点で初期の飲み頃には達していますが、それでも完全開花するのはあくまでも抜栓翌日以降で、そのポテンシャルを存分に引き出す前に飲み切ってしまうのは非常に勿体無いとも言えるので、理想としては更に3〜5年ほど熟成させてから飲みたい印象でもあります。とは言え、既に現実的に飲むためのワインという範疇を超えた価格帯になってしまっているので、一部の超富裕層向けの立ち位置や投機対象といった側面にスポットが当たりやすいのが最大の問題点になります。そういう意味においては、クロ・サン・ジャックよりも手軽に購入できるグラン・クリュとして、このシャルムはアルマン・ルソーの中では意外と現実的なポジションに位置しているアイテムと言えるのかもしれません。
（2025/11）
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