- Very Good Quality -

セパージュはシャルドネ100%。樹齢は7〜13年。収穫時(2023年10月19〜11月23日)の糖度が20.6〜24.5でそのまま野生酵母で発酵しアルコール度数が15%。亜硫酸塩を15ppmのみ添加し極粗濾過でボトリングしていますが、醸造工程で補糖、補酸、清澄剤はなし。前年の2022年は極限まで葡萄の糖度を高める目的で収穫を遅らせていましたが(2022年11月13日〜12月6日)、2023年はバランスを重視した方向へとシフトしているようです。発酵はステンレスタンク、熟成は木樽を使用。2025年8月22〜23日にボトリングを行い、生産本数は3,802本のみ。
ドメーヌ・テッタに共通する「高アルコールを感じさせない飲みやすさ」はこのシャルドネでも健在。日本のワインで補糖なしでここまでの凝縮感と高いアルコールを達成していることに素直に驚かされますが、流石に15%まで行くとヒリヒリとした辛味とシャープに引き締まるキレを感じさせられます。それでもやはり不思議な飲みやすさがあり、内包するエネルギーを感じながらも素直に向き合えるというのはかなり面白いスタイルだと言えます。
非常にリッチで、桃やパインを感じる明確な果実味を有する口当たりの良い甘味から始まり、そこから辛味をベースとしたタイトさと凛とした硬質さへと推移し、シャルドネという品種を通してこの地のテロワールの力と造り手のビジョンを明確に具現化しているということが素直に伝わってきます。これだけのエネルギー量があると、結果として他のアイテムと比べて全体的なバランス感やパッケージ面としてまだ課題がありそうな印象を受けるのも確かですが、それでも一般的な日本のワインとは異なる領域を歩むその姿勢には、非常に高い説得力とポテンシャルを感じさせられます。
(2025/12)