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セパージュは無農薬で栽培した山幸100%(清美とヤマブドウの交配品種)。醸造は全房でマセラシオン・カルボニックを40日間行い、プレス後ステンレスタンクで野生酵母でアルコール発酵。古樽で5ヶ月間熟成後、無清澄無濾過で極少量酸化防止剤を使用しボトリング。アルコール度数10%。生産本数は1,273本のみ。
全く馴染みのない葡萄品種というだけでなく、非常に困難な無農薬栽培を実施する稀有な自然派ロゼワインいう、あまりにも比較対象がなさすぎて全く想像できない突き抜けた存在感が印象的ではありますが、実際には想像以上に素直に向き合える優しい味わいとなっています。
色調は非常に来い赤系の琥珀色で、どちらかというとロゼというよりは濃厚なピノ・グリのようなオレンジワインを彷彿とさせます。実際の味わいに関しても、ロゼというよりは優しいスタイルのオレンジワインといった印象で、抜栓直後の印象としては想像以上にシンプルに優しい味わいだったので、完全なブラインドだとワインだということにすら気がつかない可能性もあります。ヤマブドウ系なので野生味のある酸味が特徴の葡萄品種ではありますが、実際にはうまく酸をコントロールしていて、酸化熟成系の退廃的なニュアンスを内包しているのは確かですが、それでも優しく丸みのあるテクスチャで程よく包み込んでいるのと、無農薬栽培を実施した自然派らしいピュアな質感がうまく全体像をまとめ上げているので全体としてのバランス感は非常に良好です。特に時間と共に甘味や旨味が綺麗に表出する傾向にあり、浸透力や訴求力が尻上がりに向上していくので、グラス一杯で画一的に判断するような判断の仕方だと過小評価してしまうかもしれません。
根本的に解像度は低めでワインとしての完成度で勝負するタイプではなく、そもそも味わいとしても個性が明確で、多くの人がイメージするような一般的なワイン像とはかなり乖離しているので、純粋な味覚としては好き嫌いがはっきり分かれるかもしれません。とは言え、山幸という葡萄の持つ個性をうまく導き素直な魅力として昇華させているのは確かなので、ナチュール系のワインにありがちな「結果論ベースで品質を制御できていない」というようなタイプとは一線を画す良好な仕上がりだと言えます。
(2025/10)