- Good Quality -
右岸を代表するワイン「シャトー・ド・ヴァランドロー」を手がけるテュヌヴァン社で働いていた日本人「篠原麗雄」が、0.82haの畑を購入し2002年から造り始めた極少量生産のガレージワインがこの「クロ・レオ」。
ボルドーの2013年と言えば、かなり困難な作柄でどの造り手も非常に苦労したヴィンテージとして記憶されていますが、クロ・レオでは、品質を維持させることを優先し、生産本数を従来の1/3程度、約900本まで落とすという英断を下しています。また、この2013年のみ、使用するボトルをブルゴーニュタイプに変更し、ラベルもボルドー在住の書家「マーヤ・ワカスギ」に依頼するなど、2013年だけの特別仕様ボトルとして例年とは全く異なる装いとなっています。
2012年以上に軽やか且つエレガントな立ち振る舞いが印象的で、かなりハッキリと酸味が主張する傾向にあります。とは言え、体躯内部の緻密さ、そのエキス分の純粋な濃さは2012年とは同レベルのように感じられ、同じ緻密さを保ったまま、スケール感やボリューム感のみ一段と控えめになっているような印象です。ボディそのものが控えめということを逆手に取り、酸味を存分に生かした小梅のような甘酸っぱさが魅力的でもあります。
2012年と同列で比較したり、ワイン単体で飲むとどうしても欠点に目がいきがちですが、比較せずに独立した存在として捉えた場合は、非常に優れた魅力を持っている印象があり、少なくとも料理とのマリアージュを強く意識したサービスを行えば、結果として2012年を超えるだけの魅力とポテンシャルを引き出すことも可能です。そういう意味では、極めて少ない生産本数による入手難と、それ故の高価格という側面こそが最大のネックと言えそうです(レストラン価格だと非現実的な価格になってしまうのも大きな問題)。
(2018/10)