- Good Quality -
オーストラリアを代表する世界的なワイナリー「トルブレック」の創業者であり、偉大な醸造家でもある「デヴィッド・パウエル」が、2013年にトルブレックを去った後、息子のカラムとともに立ち上げた新しいプロジェクトがこの「パウエル&サン」。
使用されるシラーズの大部分は、南部バロッサのマラナンガ、セッペルツフィールド、リンドック・ヴァレーの畑で栽培され、醸造はコンクリート発酵槽で個別に行い、4,500リットルのフレンチオークフードルで15ヶ月間熟成されます。リヴァーサイドGMSと同様に、リンドックにあるリヴァーサイド・ヴィントナーズのワイナリーで造られています。
14.5%という高アルコール由来のヒリヒリとした辛味に、プラム的な濃密濃縮ボディが非常に印象的です。まさにデヴィッド・パウエルらしいスタイルで、この凝縮度の高さを前面に打ち出した世界観ではありますが、濃密ではあるものの、決して重くはなく、メントールを感じる清涼感や酸がアクセントになっていることもあり、滑らかな質感とともに口当たりや後味はいたって良好です。
今からでも飲めますが、1年程待った方がより向き合いやすくなりそうな印象ではあります。ただし、良くも悪くも「多くの人が想像するデヴィッド・パウエル的スタイル」がストレートに具現化されているので、ファンならいつ飲んでも楽しめる反面、逆に言うといつ飲んでも変わらない世界観だとも言えるので、日常的に飲み続けてしまうと、飽きが早く訪れてしまいそうな印象でもあります(ただしクオリティは十分高く、前年からの進化も見られるので全体像はポジティブ)。
(2020/06)