- Good Quality -
石灰質土壌で斜面にある「ウィリアムス・ヴィンヤード」に対して、この「ピアソンズ・ヴィンヤード」は砂利質土壌の平地にある畑(1ha)で、相対的に若いうちから楽しみやすいスタイルに仕上がっています。
タソック・テラスとピアソンズのブレンドで造られるワイパラのような親近感はないものの、それでもボディ内部の緻密さや積層感にはより質実さが感じられ、シングル・ヴィンヤードならではの明確な表情を持つ傾向にあります。ヴィンテージの影響もあるのか、全体的にややコンパクトで酸が前に出ている傾向にあり、ニューワールド然とした分かりやすいスタイルではないものの、それでも果実そのものの資質が良好なので、特別ネガティブな印象を受けることはなさそうです。
抜栓直後はボディの薄さと突出した酸が気になりますが、ものの5〜10分程度でボディの膨らみや果実の甘旨味が感じられるようになり、一気にバランスが良くなっていきます。そこから1時間程度でピークに達する印象ですが、逆に翌日に持ち越すとややバランスが崩れ、再び酸(やや酢酸のニュアンス)が前に出る傾向にあるのが多少気になるところかもしれません。
(2022/01)