- Good Quality -
パヴィア県のロッカ・スゼッラに位置する、家族経営の生産者がこの「モンド・アンティコ」。標高400mの丘が全て自分達の敷地という環境下でビオディナミを実施、さらに醸造に関しても人為的な介入を極力避ける手法で自然に近いワイン造りを行なっています。
「プレルーディオ」は15hlのステンレスタンクを使用し野生酵母で発酵、マセラシオンは6日間、そのまま約6ヶ月間熟成。醸造の際には酸化防止剤は使用していませんが、ボトリングの際に11mg/lのみSO2を添加しています。セパージュはピエモンテの土着品種「ティモラッソ」。古くから存在する品種ですが、70年の正式登録以降、特に80年代以降栽培する生産者が増えているようです。
自然派らしい素直な立ち振る舞いではありますが、シャルドネで造られるシレとは異なり透明度の高いクリーンな色調で、結晶化した酒石酸以外は特に目立った澱もありません。アルコール度数は13%とやや高めですが、ボディに安定感ははあるものの、シレと同様に特に飲みにくいということはありません。抜栓後、時間とともにゆっくりと開いていく傾向にあり、内包する酸の資質に酸化熟成系のニュアンスがやや感じられますが、それでもクリアな表情主体ということもあってか退廃的な要素は少なく、素直な表情の方がより印象的な傾向にあります。
(2025/01)