- Good Quality -
2021 Follow the Line Cinsault
Savage Wines
ケープ・ポイント・ヴィンヤーズのワインメーカーだった「ダンカン・サヴェージ」が、2011年に立ち上げた自身のワイナリーが「サヴェージ・ワインズ」。
このキュヴェ「フォロー・ザ・ライン」は、若くして亡くなってしまったダンカン・サヴェージの親友でもあるヴィニュロンに捧げるワインで、この友人が生まれた際に植えられた最良のサンソーの畑の古木から造られています。実際のセパージュはヴィンテージによって微妙に違いがあるものの、2021年はサンソー93％にシラー7％となっています。ちなみに全房比率は50％。
サンソーといえばどちらかというと補助品種としての印象が強く、なかなか単一品種や主要品種として造られることはありませんが、軽やかかつフレッシュな品種特性は感じさせつつも、サヴェージらしい熟度の高さを感じる仕上がりになっています。当初は以前試飲したサヴェージ・レッドのような明確な甘みを想像していたものの、実際にはそこまで際立った甘さはなく、あくまでもコア部分に内包する範囲内で収まっている印象です。基本的には軽やかなスッキリとしたスタイルで、ボディに構造を感じるような系譜ではありませんが、それでも葡萄そのものの熟度は高く、高いアルコール（13％）から来るトロミや妖艶さが、この地の持つテロワールとエネルギーを感じさせます。
抜栓日は華奢な側面や、サンソーという葡萄品種が持つ特性による限界を感じる傾向にはありますが、それでもポテンシャルは意外と高く、翌日に持ち越す方が充足感や一体感が増し訴求力が一段上がる傾向にあったので、早くから楽しめるスタイルでありながらも、潜在的な熟成能力は意外と高そうな印象でもあります。ただ、基本的にはシンプルな構成要素で組み上げられ、ポッテリとした丸い軟質ボディとということもあり、複雑さや目を見張る構成力などを感じるタイプではないので、あまり過度の期待はせず、素直にありのままを楽しむ方が無難な印象でもあります（基本的には5年程度の熟成で飲むと良さそう）。
（2025/06）
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