- Good Quality -
青森県五所川原産のスチューベンを京都の四条河原町にある髙島屋、その新館「T8」ゾーンの地下1階「Eat8」ゾーンにある完全都市型のアーバンワイナリーで醸造。低温で保存が効くというスチューベンの特性を生かし、2025年の1月25日まで仕込み日を引き伸ばして醸造。しかもスチューベンは黒葡萄なので本来は赤ワインになりますが、特別に白ワインとして仕込んだ「ブラン・ド・ノワール」になります。仕込み方としては直接圧搾法によるロゼの製法と同じで、プレス直後は淡いピンクでまさにロゼそのものとも言える見た目になっていますが、発酵が進むにつれて色素が落ちやすいというスチューベンの特徴を逆手にとって白ワインとして仕上げています。
素直に心地よくスチューベンらしい魅力ある表情がストレートに伝わります。桃や杏のような大きな種(核)を持つ果実感があり、ナチュラルワインらしい流麗で軽やかな立ち振る舞いでありながらも、コアには適度な収斂感のある程よいタンニンが感じられ、一般的な白ワインよりもしっかりとした飲みごたえを有しています。数ヶ月の瓶熟成によってかなりポジティブな表情へと昇華している印象で、基本的には通常キュヴェのスチューベン赤よりもより素直な魅力を発している印象ではあります。若干、果実感にガムやグミのような工業製品的なニュアンスを感じるのが気になるところではありますが、それでも全体的な構成要素がうまくバランスしている点や、逆に自然派らしい個性感(クセ)が打ち消されて万人受けしやすいスタイルになっているとも言えるので、意外とトータルで見ると良好な傾向にあるとも言えます。
(2025/07)